機器の温度管理の重要性について

一言で「温度管理」と言っても、様々な分野で温度の管理は存在します。

その中でも生産分野には極めて重要な「計測機器」の温度管理について説明します。製造現場や品質管理部門で使用する計測機器には、簡易的なゲージから大掛かりな設備まで様々です。ノギスやダイヤルゲージなどは、物の寸法を測るために必要な計測機器です。既に決まった物の寸法を、当てはめるだけで測定できるゲージ類も含まれます。しかしそれらの計測機器の精度を保証するためには、温度管理も重要になります。一般的な管理温度としては「25℃±5℃」が管理範囲とされています。

生産現場でも、その温度範囲で使用するのが好ましいとされています。そのため定期的に、メーカーや品質管理部門で精度検定をしなくてはいけません。制度保証をする検定においても、精度が保証されたマスターゲージや計測機器が必要になります。精度検定に使用されるマスターゲージや計測機器には、必ず「トレーサビリティ(追跡可能性)」が必要です。マスターゲージや計測機器が「どこで、どの様に、製造され、管理されていたか」を明記した証明書が必要です。

その証明書をもって、機器の再現性(精度)が保証されるわけです。これは国際標準化機構が定める「ISO9001」にも定義されています。当然、温度管理に使用される温度計類も例外ではありません。正しく温度が測定できる「精度保証」が必要になってきます。日々の温度管理の履歴や点検簿をもとに、機器の不具合を未然に防ぎ、定期的な精度保証によって機器の再現性を担保するのが常に重要になります。

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