温度計センサーには、被測定物と温度計の測温部をよく接触させておき、同一温度に達した時の測温部の指示を見て、目的の温度を測定する、接触法と、被測定物の出すふく射エネルギーが温度と一定の関係にあることを利用して測る、非接触法があります。
例として水銀温度計やアルコール温度計などが接触法で、ふく射高温計などが非接触法となっています。そんな温度計には、動特性と静特性という性質があります。これは物理機器全般に言えることなのですが、計器がエネルギーを変換するためには時間がかかり、変換終了まで正しい値を示さないです。このように応答時間が時間により経過する指度の性質を表すものを、動特性といいます。
これに対して時間に無関係な性質を表すものを静特性といいます。この静特性は、動特性がある時間経過ののち、定常な平衡のような状態に落ち着いたとき、要するに動特性の特殊な状態といえる。つまり求めようとする値に対して、より近い指示を補正比較する必要があります。この動特性において一番問題になるのが、被測定物の常時変化し続ける性質です。
これは物理的性質を使い、誤差としてあらわすことができます。その時に重要になるのが時定数です。これを明らかにすることにより、温度センサーの一定値に落ち着く時間を明らかにすることができます。つまりより高性能の温度センサーを作るには、動特性を把握し、時定数を明らかにし、それを理論式の元、短くなるように作る必要があります。