食品を扱っているところでは、食品衛生責任者などの資格が必要になります。
今度義務化されるHACCPにも資格が必要になるのでしょうか。実際には全く資格を必要としません。従来の衛生管理を変えるのではなく、上乗せ要求と考えると良いでしょう。HACCPは導入する組織にチームを編成して対応することを求めています。それは全社的に取り組むべきものだからです。方法や手順を示すものではなく、考え方を示しているもので、衛生管理についての判断を明確にするものです。
HACCPで求めるチームは、要件がありません。広く参加することで、より良い計画ができるようになります。特に危害の特定や対応方法などは個人で考えるよりも多くの人で話し合った方が的確な結果を得ることができます。だからいろいろな意見が聞ける方が良い環境と言えます。実際に工程内で働いている人やそれを管理する人が参加して意見を言えることが、改善への近道でもあります。
なかなか全体を見渡すことがない中では、なかなか相手のことを考えることができません。工程全体を見直して確認する作業では相手の苦労をみる良い機会になります。場合によっては、悩んでいたことが簡単に解決するようなこともあります。会社全体での取り組みにより、最終的に受け取る顧客の安全を自分たち一人一人が関係していると言う意識が高まります。関係していることは、責任を持っていることになり、しっかりと実施する意識につながります。