HACCPは法改正によって義務化されましたが、食品加工会社にとっては衛生管理を進めるにあたってなくてはならないものと言えます。
従来の方法では、漏れのリスクがなくならず、危害をそのままにしている恐れもありました。HACCPを遵法だけの対応で終わらせてしまうのは、とてももったいない状況です。
どんなシステムでも、使い方によって面倒な作業になったり、便利な道具になったりします。どちらにするかは使う人次第です。HACCPを導入することでいくつかメリットがあります。一つはいままで受けていた苦情の数が減少します。抜き取り検査だったものから全数検査に変われば、不良は少なくなり、安定するようになります。不良が減ることも、従業員としては喜ばしい状況です。
また、何か不具合が発生した時でも、対応方法を決めておくので迅速に完了することが可能です。苦情が来てから何をすれば良いか悩むのでは、担当者が疲弊してしまいます。手順があれば誰でも対応が可能です。また、工程を明確にしてあることや危害がはっきりしているので説明が容易です。自信を持って説明することができれば、ストレスに感じません。従業員が正しいことをしていると言う意識が高まると、改善への意欲も強くなります。もっと良いものを作りたいと思う気持ちは、会社にとってプラスになります。このように会社内の意識を高める効果を注目すると、遵法だけに終わらせずに有効的に活用できます。